教育の現場にいて、あるいは人との関係性を築いていく中で。
「ほめる」ってなんだろう?
そう思うことがよくあります。
かつて、コミュニケーションの勉強をしていた時は
「相手の承認欲求を満たすために、ほめてあげましょう」
「相手をほめればほめるほど、その人に対するあなたの影響力が増します」
という事を学びました。
セルフイメージが低かった私は、ほめられることが単純に嬉しくて、
その嬉しさをお返しするような気持ちで、相手をほめていたものです。
だけど、ほめればほめるほど、
ほめられればほめられるほど、
その「ほめ言葉」に対する違和感はどんどん大きくなっていきました。
私は一体、何のためにこの人をほめているのだろう?
良く思われたいから?影響力を出して、相手をコントロールしたいから?
この人は一体、何のために私をほめているのだろう?
本当にそう思ってる?なんでそんなに上から目線で言われなきゃいけないの?
「ほめる」という行為には意図がある、と気付いたのです。
かつては、純粋な気持ちで、自分の中の語彙を増やしたい思いで
『ほめ言葉辞典』のようなものを買い求めていたこともありました。
「ほめ方」に関する本も何冊か買って読んだこともありました。
なんとなく、そこから捻り出されたほめ言葉は、
自分の本心から出た素直な言葉ではなく、
相手を「ほめなきゃいけない」という強迫観念にかられたものだったように思います。
それに気付いてからは、積極的に誰かをほめよう!と思うことはやめました。
ちょっと素っ気ない人になってしまったかもしれません。
それでも、嘘偽りのあるほめ言葉よりも、
ぽろっとこぼれ出た本音の気持ちの言葉の方を
私は大切にしたいと思うのです。
「ほめる」については、まだまだ書きたいことがたくさんあるので
少しずつ書いていきたいと思います。