高校生、最後の小説は森鷗外の『舞姫』

教材研究も兼ねて、千駄木にある森鷗外記念館へ。

文京区立森鷗外記念館
http://moriogai-kinenkan.jp/

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ちょうど、特別展示として『舞姫』の自筆原稿が公開されていたのです。

その生々しい『舞姫』への修正の書き込みや、
森鷗外の人となりを表す展示作品を見て、
本当に来て良かったと思いました。

『舞姫』の一読後の印象としては、
日本人留学生がドイツの娘に恋をして、妊娠させたけど
相手が発狂しちゃったから置いて帰国した。
という身も蓋もない話…

だけれども、調べれば調べるほど、
そんな表面的なラブ・ストーリーではない。

まず、時代が違うのです。
開国して、明治になって、近代化を性急に進める中で
人をとりまく環境も、個人の考え方も大きく変化を遂げる、その過渡期。
とはいえ、まだまだ封建制度の名残がある中で、
個人にいかに目覚めていくか。

ちょうど、時代背景としては板垣退助が自由民権運動を
行っている辺りです。
まさに、国民が自由を手にするために活動をしていた頃。

もしかしたら、その象徴たるものが「恋」なのではないか。
実らない恋を元に、自己の気付きや人間関係の葛藤を表しているのではないか。
そんな事を考えていました。

現代の月9などのドラマで流れているような恋愛模様を見るとの
同じ感覚で読むものとは、ちょっと違うのでしょうか。

もしかしたら、同じかもしれない、ですけれども。

国語科を教えるにあたって、その作品の理解を深めればいいと
思っていた頃もありましたが、こうして資料館を訪れると
発表当時の時代背景や、作品の持つ時代性などにも関心が向いていきます。

作品理解の進度がぐっと深まるというか。

今後、地方への旅行に行く際には、もっと文学的な観点でも
楽しんでみようと思いました。