まだ空気の冷たさが残る中。

今日は私が勤めている高校の卒業式でした。

坂の上にある学校なので、きっと登校も大変だったことでしょう。
それも、今日が最後。

正門をくぐると、在校生が胸に付ける花を用意して待っています。

花をつけて教室へ向かって、式典へ向けて待機。

一体、どんな気持ちで待っていたんでしょうね。

十時開始の式典に向けて、教職員も体育館へ移動します。

体育館の後ろには保護者の方々が並び、私たち教職員は体育館の横に並んで座りました。

反対側には、吹奏楽部の生徒達が楽器を抱えてスタンバイ。

生徒入場の時には、吹奏楽部の生演奏で迎えます。
音の一つ一つが鳴り響き、まるで包まれるような、背中を押してくれるような。
別れの悲しみを含みつつも、先輩の卒業を祝うメロディ。

校長先生は映画「君の名は」に絡めて、卒業のお祝いの言葉を。

理事長からは、卒業式の意義についてのお話を頂きました。
こういう式典は、平和の象徴である、との事。
もし、不測の事態が発生したとしたらこういう事はできないのだ、と。

確かに東日本大震災はちょうど卒業式のシーズンと重なりました。
自粛・自粛のムードの中、卒業式ができなかった学校もあったことでしょう。
それを考えると、こうしてみんなで旅立ちを祝えるのはとても幸せな事。

卒業証書授与では、担任がひとりひとり、生徒の名前を呼び上げていきます。

自分が教えたクラスでは、声が聞こえるたびに、生徒の顔が浮かびました。
今は、どんな顔をしているのかな、横からは窺い知れない、その胸の内。

退場の時に見えた顔は、みんな爽やかな顔をしていて、とても良い式でした。

涙で送り出すのはもったいない。

こんな歌を贈ります。

古今和歌集 399番 凡河内躬恒(おほしこうちのみつね)
別るれど  うれしくもあるか  今宵より  あひ見ぬ先に  何を恋ひまし

(意訳)
今は別れのときだけれども、これからはあなた達がこの先どんな未来を行きていくのか、想像する事ができます。
これもあなた達と出会う事ができたから。そう思うとこの別れもまた嬉しいものでございます。

君たちの未来は、光り輝いているよ。
ご卒業、おめでとう。