今回の展示の一番のお目当ては、十牛図(じゅうぎゅうず)でした!
念願叶って、本物の十牛図巻を見てまいりました。
思っていたよりも小さい。
そして、丁寧な絵にため息をつきながらじっくりと眺めていました。
第二図「見跡」には、ちゃんと牛の足跡が書かれているんですね。
印刷だと、どうしても見えずらいものですが、しっかりと描かれていました。
十牛図は禅の悟りに至る道筋を、牛を主題とした十枚の絵で表したものです。
これがめっちゃ好きでしてね。
東洋のヒーローズ・ジャーニーだと思っています。
何かを探す、そして見つける。
だけど、見つけて終わりではない。
空になること。
だけど、空になることで終わりでもない。
その先がある。
その先とは。
市井に戻って、人と交流すること。
悟りを開くと、山にこもるイメージがあるけれども
そうではなくて、人と交わり、その悟りを説くこと。
それこそが悟りの最終形態であること。
美しいな、と思います。
一、尋牛(じんぎゅう)牛を探すこと、悟りの道を歩き始めること
二、見跡(けんせき)牛の足跡を見つけること、先人の知識や書物に触れること
三、見牛(けんぎゅう)牛を見つけること、師匠を見つけて悟りのはじめに来たこと
四、得牛(とくぎゅう)牛を捕まえること、悟りが分かってきたが未だ自分のものにならない
五、牧牛(ぼくぎゅう)牛を手なずけること、悟りを自分のものにするために修行すること
六、騎牛帰家(きぎゅうきか)牛に乗って家に帰ること、悟りを開いて戻ること
七、忘牛在人(ぼうぎゅうぞんにん)家に戻り牛を忘れる、もうすでに悟りは自らの内にある
八、人牛倶忘(にんぎゅうぐぼう)無に帰すること、本来の自分に気付くこと
九、返本還源(へんぽんげんげん)自然の中にあること、悟りとは自然であること
十、入鄽垂水(にってんすいしゅ)街へ出る、他の人を導く
お土産にポストカードを買ってしまいました。
十牛図については、こちらの本がおすすめです。