紹介していただいて、こちらの本を読んでいました。

高石宏輔『声をかける』

いわゆるナンパ師の独白で成り立つ物語。

ナンパのテクニックがどうとか、そういうことではなく
自分はなぜナンパをし続けているのだろう、と内省を繰り返している
そんな印象を受けました。

ヒリヒリと胸に迫る痛みを含んだ展開。空っぽというか、虚無というか。
そこはかとなく流れる不毛さとか、寂しさとか、
そういったものをを感じつつ、最終的に心に浮かんだのは…

「で、何が望みなの?」

本文の終盤、女の子がよく言うフレーズが印象的です。

「わかんない」

悩みの相談でもそうですし、カウンセリングの現場でもそうでしょうけれど
相手の話を聞いていて、「で、どうしたいの?」と聞きたくなることがあります。

昔の私は、ストレートにこの問いを投げかけていました。

だけど、きっと、その答えが分かっている、スパッと出るのであれば、
相談なんかしていないんだろうなぁ、と思えるほどには大人になりました。

「何がしたいの?」(What do you want to do?)

って、とても強い言葉なんですね。

それの一つは相手に対する言葉の強制力。言い方、の問題です。

命令的であり、指示的であり、答えないという選択肢を奪う強さ。
自分のことを聞いてくれているのだから、何か答えないといけないような雰囲気。

かつてカウンセリングの勉強をしていた時には、この言い方のトレーニングもあり
「こうなったらいいなぁ〜、って思うことはありますか?」
と言い換えてみるのも選択肢としてアリですよ、と教えていただきました。

これもまた言い方なのですが、どんなに柔らかい言い方に変えても
カエルを睨んだ蛇みたいな態度で臨んでいたら意味がないのですけれど。
(絶対に答えてもらうわよ、という気迫めいたものを纏っている、というか)
初心者ゆえに、力みすぎておりました。

この「質問の強度」にはもう一種類あるのですが、長くなるので続きはまた明日。